バフ研磨処理の番手別表面粗さRa参考値|従前/現行比較・品質管理・用途・特長 | 株式会社旭研磨工業所 技術ブログ
- 株式会社旭研磨工業所

- 9月26日
- 読了時間: 5分
更新日:10月2日
バフ研磨は、ステンレスや金属部品の表面仕上げにおいて最も一般的な加工方法です。部品の滑らかさ、光沢、耐摩耗性は、処理後のバフ研磨番手によって得られる**表面粗さ(Ra値目安)**で管理されます。
本記事では、従来と現在の基準粗さ(Ra値目安)の比較表を示し、荒仕上げから超精密仕上げまでの目安、用途、特長、注意点を詳しく解説し、品質管理に役立つ情報を提供します。
※記載のRa値はバフ研磨処理での番手ごとの参考値です。他の表面処理(例:ブラスト処理)では同番手メディアの処理でも仕上がりの表面粗さが異なるため、Ra値目安にはできません。
従前と現行の基準粗さ(Ra値)の違い
近年、番手指定で研磨加工を依頼した際に、従前の基準番手仕様で処理したところ、「磨き精度が不足している」との指摘を受ける事例が、他社において散見されています。これは、従来の番手基準だけでは、現在求められている品質要求に十分対応できない場合があることを示しています。
そのため、現行の基準では従前よりも粗さを細かく分類し、Ra値による管理を行う動きが広がっています。特に、部品形状や用途に応じて仕上げ精度を細やかに管理している会社様も多く、外観品質だけでなく、機能性や耐久性を含めた品質保証を可能にしています。
従前の基準粗さRa参考値 ( 改訂前に適用していた値 )
現行の基準粗さRa参考値 ( 現行規格に基づく値 )
Ra値を基準にした用途と特徴
Ra 0.5μm以上:荒仕上げや初期研削面に最適。粗研磨や溶接部の下地処理に使用。
Ra 0.2~0.02μm:機械部品や溶接部の中間仕上げに最適。精密研磨前の準備工程としても重要。
Ra 0.015~0.005μm:光学部品・医療機器・補助器具など超精密仕上げ向け。
⚠ #600以上は材質・形状・処理前状態によって仕上がりが変動するため、工程管理と検査が特に重要です。
バフ研磨の品質管理・工程活用ポイント
研磨番手別Ra値を基準に工程管理
部品仕様書との照合
サンプル提示・教育用途
精密・超精密部品対応
#600以上の注意点(材質・形状・処理前状態によって処理不可の可能性あり)
FAQ(よくある質問)
Q. バフ研磨の番手と表面粗さ(Ra値)はどう関係していますか?
A. バフ研磨では、番手が細かくなるほど研磨粒子のサイズが小さくなり、表面粗さRa値は低くなります。しかし、材質や形状、処理前の状態によって仕上がりは変動するため、番手だけで正確なRa値を指定することは難しい場合があります。
Q. Ra値の測定はどのタイミングで行うのが良いですか?
A. 研磨工程の各段階で中間検査としてRa値を測定することが望ましいです。最終仕上げ後に確認することで、仕様書との照合や品質保証が確実に行えます。当社では必要に応じて工程ごとの測定を実施し、精密な仕上がりを管理しています。
A. 超精密研磨は、材質や形状、処理前の状態によって仕上がりRa値が変動しやすいため、工程管理・測定・研磨条件の最適化が不可欠です。状態によっては、求められる精度での研磨が難しい場合もあります。当社では、最適な条件設定と事前評価により精密仕上げの再現性向上に取り組んでいます。
Q. 光学部品や医療機器の研磨はどの番手が適していますか?
A. 一般的にはRa0.015μm以下を目安に、#600以上の精密研磨を行います。ただし、材質や形状、用途によってはさらに細かい番手の選定や追加研磨、条件調整が必要になる場合があります。当社では用途に応じて最適な工程をご提案いたします。
Q. バフ研磨だけでRa値を指定通りに出せますか?
A. バフ研磨は職人の手作業による工程であり、数値管理された仕上げは難しいため、Ra値を指定どおりに均一に再現することは困難です。ただし、求められる基準を満たす、あるいはそれ以上の外観・平滑度を実現することは可能です。
Q. バフ研磨処理で寸法公差や平面度を狙って仕上げることは可能ですか?
A. バフ研磨は除去量が均一でなく、定量的な制御が難しいため、公差や平面度を狙った仕上げには不向きです。主な目的は外観や表面粗さの改善であり、寸法精度を重視する場合は、公差は機械加工で確保し、仕上げには鏡面ショット(SMAP・Pollux)やラッピングなど、寸法保持性の高い方法を選ぶのが一般的です。
Q. ブラスト処理や他の表面処理でも、番手ごとの表面粗さは同じですか?
A. 記載しているRa値は、バフ研磨処理における番手ごとの参考値です。ブラスト処理などの他の表面処理では、番手が同じでも仕上がりの粗さは異なるため、目安としての比較はできません。
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