WPC-SMAP処理とは?疲労強度・耐摩耗・清浄性を同時に向上させる複合表面処理 | 株式会社旭研磨工業所 技術ブログ
- 株式会社旭研磨工業所
- 8月13日
- 読了時間: 3分
WPC-SMAP処理とは?
株式会社旭研磨工業所が提供するWPC-SMAP処理は、金属部品に対し「表面強化」と「鏡面仕上げ」を同時に実現する、次世代型の複合表面処理技術です。金属表面に微細なテクスチャを形成するWPC処理(精密ピーニング処理)と、鏡面レベルの仕上げを行うSMAP処理(鏡面ショット処理)を連続的に施すことで、以下のような性能を両立させます:
疲労強度の向上(表面に圧縮残留応力を付加)
耐摩耗性の向上(微細ディンプルによる強化)
表面粗さの低減(滑らかで清浄な表面)
剥離のない安定処理(メッキやコーティングと異なる)
これにより、高精度が求められる金属部品や、衛生面での配慮が必要な製品において、高性能・長寿命化を実現します。
各処理の概要
WPC処理(精密ピーニング処理)高速で微小球を金属表面に衝突させ、微細な圧縮残留応力を付加。疲労寿命の延長、耐摩耗性の強化に有効です。
SMAP処理(鏡面ショット処理)特殊なショット材で表面を微細加工し、滑らかな鏡面仕上げを実現。清掃性・流体特性にも優れます。
WPC-SMAP処理の主な特長
1. 疲労強度・耐摩耗性を同時に向上
金属表面に微細なディンプルを形成しつつ、鏡面化により滑らかさも確保。摺動部や可動部の摩耗を抑えます。
2. 表面粗さを最適化し、清浄性を向上
表面が滑らかになることで、異物付着の抑制・洗浄性の向上・衛生環境への適合といった効果を発揮します。
3. 剥離リスクなしの安定した処理
塗膜やメッキと異なり、剥がれの心配がなく、食品・医療分野など衛生性が求められる環境にも対応。
適用分野・導入実績
WPC-SMAP処理は以下のような部品で多数の実績があります:
精密駆動部品(ベアリング、シャフト等)
医療機器用金属部品(ステンレス工具、外科器具など)
食品容器・包装装置部品
自動車・輸送機器の耐摩耗部品
精度・耐久性・清掃性をすべて求められる領域で、高評価を獲得しています。
他の複合表面処理との比較
当社では、部品形状や要求性能に応じて複数の複合表面処理を提供しています。以下は代表的な処理との性能比較表です。
処理名 | 特徴 | 主な適用対象 | 表面の滑らかさ | 耐摩耗・耐疲労性 |
WPC-SMAP処理 | 表面強化と滑らかさを同時に実現 | 精密駆動部品、医療用金属部品など | ◎ | ◎ |
WPC-Pollux処理 | 複雑形状部品にも適した強化処理 | 小~中型の複雑形状金属部品 | ○ | ◎ |
SPBF-SMAP処理 | バフ仕上げ+清浄性・意匠性の両立 | 平面・意匠部などの外装部品、装飾パネルなど | ◎ | ○ |
SPBF-Pollux処理 | バフ不可の複雑形状でも高品位に仕上げ可能 | 小物部品、凹凸や入り組んだ形状の自由形状部品 | ○ | ○ |
◎:非常に優れる / ○:高性能
処理技術の選定とご相談
形状・材質・用途・ロット数などによって最適な処理は異なります。株式会社旭研磨工業所では、用途に応じた最適な処理提案・試作対応も承っております。WPC-SMAP処理の導入をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。
WPC-SMAP処理は、疲労強度・耐摩耗性・清浄性を同時に実現する高性能な複合表面改質技術です。従来のWPC単体処理に対し、より滑らかな仕上げ・洗浄性向上・清潔性の確保を可能にし、多分野での応用が期待されます。今後の金属表面処理のスタンダードとして、医療・食品・機械加工業界における製品の高品質化と長寿命化に貢献します。
会社情報・お問い合わせ
株式会社旭研磨工業所(あさひけんまこうぎょうしょ)
〒570-0032 大阪府守口市菊水通3-16-10
📞 TEL:06-6992-3343
🌐 公式サイトはこちら → https://www.asahi-kenma.com

WPC-SMAP処理とは?疲労強度・耐摩耗・清浄性を同時に向上させる複合表面処理 | 株式会社旭研磨工業所 技術ブログ