ステンレス研磨の#400番仕上げとは?磨き材とバフ研磨の違い・比較・選び方|株式会社旭研磨工業所 技術ブログ
- 株式会社旭研磨工業所
- 8月16日
- 読了時間: 3分
更新日:8月18日
ステンレス研磨「#400番仕上げ」とは?
ステンレス加工や仕上げの仕様書でよく見かける「#400番仕上げ」。一見シンプルな表現ですが、実はこの「#400番」という言葉は2つの異なる研磨方法を指す場合があります。
工場で大量生産される磨き材(ミガキ材)#400番
職人や加工業者が行うバフ研磨#400番
どちらも「#400番」と呼ばれますが、仕上がりの質感・用途・加工後の対応性が大きく異なります。この記事では、それぞれの特徴やメリット・デメリット、用途別の選び方を詳しく解説します。
磨き材(ミガキ材)#400番とは?
磨き材#400番は、ステンレス板材やコイル材を工場で連続的に研磨加工したものです。ライン研磨機を用い、150〜180番程度のバフや砥粒で直線的に研磨し、均一な半光沢の表面を形成します。
特徴
表面に細かく均一な直線模様(ヘアラインに近い)
主に装飾用途・屋内部材に使用
板材の大量供給が可能でコストパフォーマンス良好
注意点
一度形成された仕上げ面は再研磨不可
曲げ加工・溶接後の補修は困難
加工前に仕上げを決定する必要あり
バフ研磨#400番とは?
バフ研磨#400番は、布製バフやフェルトバフを用いて職人が直接研磨する方法です。粗い番手から順に磨き上げ、#400番は中仕上げ〜仕上げの境界にあたります。磨き材よりも光沢が強く、半鏡面〜鏡面に近い仕上がりになります。
特徴
光沢のある美しい外観
溶接部や曲面・複雑形状にも対応可能
小ロットや一点モノにも対応
用途例
医療機器部品
厨房機器
建築金物
意匠性の高い製品や補修が必要な部品
外観・性能比較|磨き材#400番 vs バフ研磨#400番
比較項目 | 磨き材#400番 | バフ研磨#400番 |
表面模様 | 均一な直線模様(ややマット) | 光沢強め・ムラなく均一(わずかなスジ) |
光沢感 | 中程度(半光沢) | 高光沢(鏡面寄り) |
加工対応性 | 板材・直線部分中心 | 複雑形状・曲面・溶接後も対応可 |
再仕上げ | 不可(既製品) | 可能(部分補修も可) |
コスト | 安価(量産向き) | やや高価(都度対応) |
用途別おすすめの選び方
磨き材#400番が適しているケース
建築内装材・厨房機器など均一な美観を求める量産品
加工前に仕上げが決まっている製品
コスト重視で強い光沢が不要な場合
バフ研磨#400番が適しているケース
高級感のある外観が必要な意匠部品や展示機器
溶接・曲げ加工後に仕上げが必要な製品
複雑形状や小ロット・一点モノ
バフ研磨#400番に近い磨き材を選ぶには?
バフ研磨#400番に近い光沢や質感を、工場出荷時の磨き材で再現したい場合は、#600番程度の磨き材を選定すると仕上がりが近くなります。ただし、加工後の補修や磨き直しは困難なため、後加工が必要な場合はバフ研磨をおすすめします。
※磨き材の選定については、鋼材メーカー様などにご相談ください。
「#400番仕上げ」は2種類あることを理解して選定を
同じ「#400番仕上げ」でも、磨き材#400番とバフ研磨#400番では、外観・コスト・加工対応性が大きく異なります。最適な方法を選ぶためには、以下のポイントを明確にしておくことが重要です。
使用用途(装飾・機能・耐久性)
美観の要求レベル
加工後の補修や再仕上げの有無
コスト制約
ステンレス研磨でお困りの際は、ご相談ください。
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