ステンレス磨き材#400番とバフ研磨#400番の違い|ステンレス研磨方法の選び方 | 株式会社旭研磨工業所 技術ブログ
- 株式会社旭研磨工業所
- 2024年1月17日
- 読了時間: 3分
更新日:8月4日
ステンレス研磨の“#400番”とは?
ステンレスの仕上げ方法を指定する際に、「#400番仕上げ」という表現をよく目にされるかと思います。しかし実は、この「#400番」という言葉、2つの全く異なる研磨方法を指すことがあります。一つは工場出荷時の「磨き材(コイル材)」としての#400番、もう一つは職人や加工業者が行う「バフ研磨」における#400番です。同じ「400番」でも仕上がりの質感や用途は大きく異なります。
本記事では、それぞれの研磨方法の違いや、選定時のポイントをわかりやすく解説します。
磨き材#400番とは?
磨き材(ミガキ材)とは、ステンレスの板材やコイル材に対して、工場であらかじめ研磨処理を施したものです。この加工は連続ライン上で行われ、#400番は150〜180番程度のバフや砥粒を使って直線状に仕上げ光沢を与えたものに該当します。
特徴
表面には細かく均一な直線的な研磨目(ヘアラインに近い)がある
一般に「装飾用途」や「屋内部材」に使われることが多い
板材としての大量供給が可能で、コストパフォーマンスに優れる
注意点
一度形成された仕上げ面の再研磨は基本的に不可
曲げ・溶接後の仕上げ補修は困難なため、加工前の使用が前提
バフ研磨#400番とは?
バフ研磨は、布製のバフホイールやフェルトバフを使い、職人が品物に直接施す研磨方法です。段階的に粗い番手から細かい番手へと磨き上げていき、#400番は中仕上げ〜仕上げの境界となる一般的なグレードとされています。
特徴
光沢のある美しい外観(半鏡面〜鏡面に近い仕上がり)
加工後の溶接部や複雑形状でも対応可能
一点ずつ手作業または個別対応が可能
用途例
医療機器部品、厨房機器、建築金物など
美観が重視される部品や、溶接後の仕上げ調整が必要な部品
外観比較:磨き材 vs バフ研磨
比較項目 | 磨き材#400番 | バフ研磨#400番 |
表面模様 | 均一な直線模様(ややマット) | 光沢強め・ムラなく均一(若干のスジ模様) |
光沢感 | 中程度(半光沢) | 高光沢(鏡面寄り) |
加工対応性 | 板材・直線部分中心 | 複雑形状・曲面・溶接後も対応可能 |
再仕上げ | 不可(既製品) | 可能(磨き直しや部分補修に対応) |
コスト | 安価(量産向き) | やや高価(都度対応) |
用途別おすすめの選び方
磨き材#400番がおすすめのケース
建築内装材や厨房機器など、比較的均一な美観を求める量産品
加工前に仕上げが決まっていて、再研磨の必要がないもの
コスト重視で表面に強い光沢が不要な場合
バフ研磨#400番がおすすめのケース
高級感のある外観が求められる製品(例:展示機器、意匠部品)
溶接や曲げ加工を施した後の仕上げが必要な場合
複雑な形状や一点モノ、小ロット品
「#400番仕上げ」という言葉は一見シンプルに見えますが、その中身は大きく2種類に分かれます。量産向けの磨き材#400番と、個別仕上げ対応が可能なバフ研磨#400番では、外観・コスト・加工対応性などが大きく異なります。選定に迷った際は、「使用用途」や「美観の要求レベル」、「加工後の補修の有無」などを明確にした上で、最適な研磨方法を選ぶことが重要です。
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