従来のブラスト加工と鏡面ブラスト加工の違いと用途解説 | 株式会社旭研磨工業所 技術ブログ
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更新日:2 時間前
金属や樹脂製品の品質を大きく左右する表面処理技術。その中でも「従来のブラスト加工」と「鏡面ブラスト加工(鏡面ショット研磨)」は、多くの業界で利用される代表的な処理方法です。
一見似ている両者ですが、実際には使用目的や仕上がり、加工手法に大きな違いがあります。今回は、それぞれの特徴と用途、使い分けのポイントについてわかりやすく解説します。
従来のブラスト加工とは?
従来のブラスト加工は、研磨材(メディア)を高速で噴射して製品の表面を処理する技術です。主に鋼球やガラスビーズ、砂などのメディアが使われ、錆や汚れの除去、塗装・めっき前の下地処理に用いられます。
特徴
表面に微細な凹凸を作り、塗装や接着の密着性を高める
表面の汚れや酸化膜を効率的に除去
処理速度が速く、大量生産に適している
仕上がりは梨地(マット調)で光沢はない
主な用途
鋼材の錆落とし
塗装やめっきの前処理
溶接後の焼けやバリの除去
金属鋳物の表面粗化
鏡面ブラスト加工(鏡面ショット研磨)とは?
鏡面ブラスト加工は、ゴムや樹脂材にGCショットやダイヤメディアなどを含ませた超微細研磨材を使い、表面を鏡のように滑らかで光沢のある状態に仕上げる高度な研磨技術です。精密な粒度管理と研磨条件が求められ、主に精密部品や衛生面が重要な製品に使用されます。
特徴
表面粗さRa0.1μm以下の超平滑仕上げが可能
高光沢で美しい鏡面仕上げ
摩擦抵抗や汚れの付着を抑制
衛生性が要求される機器の部品にも対応
主な用途
ステンレス・アルミの装飾部品仕上げ
医療・食品機器の洗浄性向上
半導体装置の精密部品
高精度機械の摺動部品
両者の違いまとめ
項目 | 従来のブラスト加工 | 鏡面ブラスト加工(鏡面ショット研磨) |
使用メディア | 鋼球、ガラスビーズ、砂など | GCショット、ダイヤメディアなどの超微細研磨材 |
目的 | 表面の汚れ・酸化膜除去、下地粗化 | 表面の平滑化・高光沢仕上げ |
仕上がり | 梨地(マット調)、ザラつきあり | 鏡面のように滑らかで光沢がある |
主な用途 | 塗装・めっき前処理、美装梨地 | 精密部品の美観・機能性向上 |
コスト | 低~中程度 | 高め |
適切な表面処理選択のポイント
「従来のブラスト加工」と「鏡面ブラスト加工」は表面処理技術としてそれぞれ特徴が異なり、用途も明確に分かれています。
大量生産・下地処理・梨地加工が目的なら従来のブラスト加工が最適。スピーディーかつコスト効率が良いです。
最終仕上げや高精度な表面品質が必要な場合は鏡面ブラスト加工を検討してください。美観だけでなく機能面でも効果が大きいです。
製品の用途や材質、求められる表面粗さ、コストなどを総合的に考慮し、最適な処理を選択することが重要です。
株式会社旭研磨工業所では、お客様のニーズに応じて最適な技術を選定し、品質・コスト・納期すべてにご満足いただける表面処理サービスを提供しています。表面処理に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
会社情報・お問い合わせ
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