湿式ブラスト処理(Vapor Blasting)の特長と用途|美装梨地・ウェットブラスト・メディブライトとの違い|株式会社旭研磨工業所 技術ブログ
- 株式会社旭研磨工業所
- 7月31日
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更新日:6 日前
湿式ブラスト(Vapor Blasting)とは?
湿式ブラスト処理は、研磨材を水と混合し、高圧で金属などの対象物に噴射する表面処理技術です。乾式ブラストと異なり、水を介することで粉塵の発生を大幅に抑え、作業環境の安全性や周囲への環境負荷軽減にも配慮できる点が最大の特長です。
当社、株式会社旭研磨工業所では、標準的な湿式ブラストはもちろん、意匠性や機能性を高めた美装梨地処理、メディブライト処理などの派生技術も開発・提供しています。
湿式ブラストの特長
粉塵の発生を抑制:水と混合して噴射するため、乾式に比べて粉塵が飛散しにくく、作業者や周囲環境への影響が少ない。
安定した仕上がり:研磨材の分散が均一になりやすく、ワーク全体に対してムラのない処理が可能。
環境・衛生配慮:医療機器・食品製造装置部品など、衛生管理が求められる現場でも対応可能。
再現性が高い:処理条件の調整により、複雑形状の部品にも均一なマット感や梨地調を安定して形成。
主な用途事例
用途分野 | 具体的な部品例 | 効果 |
医療機器 | 手術器具、内視鏡部品 | 粉塵対策・クリーン性確保 |
食品・包装装置 | ステンレスタンク、ノズル部品 | 滅菌性・美観・洗浄性の向上 |
精密機器 | アルミ・チタン筐体、光学部品など | 均一な梨地処理・反射抑制 |
美装仕上げ | 意匠部品、装飾筐体 | 高級感あるマット仕上げ |
類似処理との違い(比較表)
すべて当社が提供する湿式ブラストです。それぞれ目的や仕上がりに応じて工程を最適化しています。湿式ブラストには、ウェットブラスト、ウェット研磨ブラスト、アクアブラスト、スラリーブラスト、ウェットサンドブラスト、液体ホーニング(リキッドホーニング)など、さまざまな名前があります。これは、元の表面を損傷することなく、コーティング、汚染物質、腐食、残留物を効果的に除去する表面再仕上げプロセスです。このため、修復物など、最高品質の表面仕上げを必要とする用途で急速に第一の選択肢になりつつあります。
処理名 | 処理概要 | 湿式ブラストとの主な違い |
ウェットブラスト | 湿式ブラストの一般的名称。液体ホーニングとも呼ばれ、粉塵抑制と表面処理を両立する標準的な湿式方式。 | 実質的に「湿式ブラスト」や「液体ホーニング」と同義。社外ではこの呼称が一般的。当社では処理条件を独自に最適化し、より高精度な仕上がりを実現。 |
美装梨地 | 意匠性を重視した湿式ブラスト処理。ウェットブラストとも呼ばれ、上品なマット感と反射抑制を両立させた仕上がり。 | 湿式ブラストの美観特化型。表面のテクスチャがより繊細で、外観品質を重視する部品に最適。乾式の梨地仕上げよりも粉塵が出ずクリーン。 |
メディブライト | 微細なブラストメディアと特殊条件を用いた湿式ブラスト。滑らかで高級感ある半光沢仕上げが可能。 | 湿式ブラストの高級仕様。マット感の中に上品な光沢を持たせることができ、デザイン性が求められる部品や筐体に採用される。 |
株式会社旭研磨工業所でのウェットブラスト処理サービス
湿式ブラストは、従来の乾式サンドブラストに比べて大きな利点を持つ優れたプロセスです。水と加圧空気を混合した微細な研磨剤により、ブラストされた表面は、サンドブラストされた部品のように指紋を残さないピーニング効果により、滑らかでほぼ研磨された魅力的なサテン仕上げが残り、将来の汚れや腐食に対してより耐性があります。粉塵の抑制と高品質な表面仕上げを両立できる、環境・美観・機能性を兼ね備えた次世代型ブラスト処理です。「クリーンで美しい仕上がり」「衛生性と安全性の両立」を求める場合、旭研磨工業所の湿式ブラスト技術が最適な選択肢となります。
【お問い合わせ】
株式会社旭研磨工業所
〒570-0032 大阪府守口市菊水通3-16-10
TEL:06-6992-3343

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